斜方投射とは??【公式・導出などわかりやすく解説】

こんにちは、ほーたです。

 

今回は斜方投射について。

 

考え方は水平投射と同じです。

 

だから水平投射を勉強した人にはよゆーですね。

 

初めての方はしっかり勉強して、今日マスターしてしましょう。

 

これを読む前に加速度運動の考え方と運動の独立性、放物運動の考え方の記事を読んでから、こちらを読むのをお勧めします。

 

【合わせて読みたい】

等加速度運動の考え方

等加速度運動と等速直線運動についてわかりやすく解説します

運動の独立性、放物運動の考え方

放物運動の水平投射とは??公式や導出などわかりやすく解説します

 

この記事で身につくこと

公式を覚えずとも運動の独立性をもちいて、斜方投射の問題を扱えるようになる。

 

斜方投射

斜方投射運動とは物体を斜めに投げる運動のことをいいます。

 

 

この運動も放物運動の考え方に従って、

 

  1. 軸を決定する
  2. 運動の独立性
  3. 初期位置、初速度、加速度

 

の順に考えていきます。

 

図のようにx軸とy軸をとり(軸の決定)、運動の独立性からxとy成分に分けて(運動の独立性)、初期位置、初速度、加速度を求める(初期条件)。

 

 

さっそく公式の証明からいきます。

 

斜方投射の公式

等加速度運動の公式から斜方投射の速度と位置の公式を求めます。

 

x軸について

$$\begin{align}v_{x}=&v_{0}\cos\theta\\\\x=&(v_{0}\cos\theta)t\end{align}$$

と求まり、

 

そしてy軸は

$$\begin{align}v_{y}=&v_{0}\sin\theta-gt\\\\y=&(v_{0}\sin\theta)t-\frac{1}{2}gt^2\end{align}$$

と求まります。

 

これの式からx軸には等速直線運動、y軸には鉛直投げ上げ運動をしていることが分かりますね。

 

こういうところで、今まで勉強してきた基礎が応用されています。

 

こうやって公式が導ければ、暗記量が少なくても物理の問題に対応することが出来ます。

 

斜方投射の公式

x軸
速度 : \(v_{x}=v_{0}\cos\theta\)
位置 : \(x=(v_{0}\cos\theta)t\)

y軸
速度 : \(v=v_{y}=v_{0}\sin\theta-gt\)
位置 : \(y=(v_{0}\sin\theta)t-\frac{1}{2}gt^2\)

 

斜方投射の軌道を見る

では斜方投射の位置の公式から\(t\)を消去して\(y\)を求めます。

 

xの位置の式より、

 

$$t=\frac{x}{v_{0}\cos\theta}$$

 

と求まる。これをyの位置の公式に代入します。

 

$$\begin{align}y=&(v_{0}\sin\theta)\frac{x}{v_{0}\cos\theta}-\frac{1}{2}g(\frac{x}{v_{0}\cos\theta})^2\\\\=&x\frac{\sin\theta}{\cos\theta}-\frac{1}{2}g\frac{x^2}{v_{0}^2}\frac{1}{\cos^2\theta}\\\\=&-\frac{1}{2}g\frac{1}{v_{0}^2\cos^2\theta}(x-\frac{v_{0}^2\sin2\theta}{2g})^2+\frac{v_{0}^2\sin^2\theta}{2g}\end{align}$$

 

最後は平方完成しただけです。

 

これをy-xグラフ図示。

 

 

また落下したとき、

x軸方向の速度は\(v_{0}\cos\theta\)となり、

y軸方向の速度は鉛直投げ上げ運動の運動の対称性から\(-v_{0}\sin\theta\)となるので、

速度を合成すると落下するときの速さは\(v_{0}\)になります。

 

これから、斜方投射は、\(x=\frac{v_{0}^2sin2\theta}{2g}\)を中心に対称な運動をしていることが分かりました。

練習問題

それではここで問題を解いてみましょう。

 

【問題】

野球ボールを水平から\(\theta\)の角度で投げた。空気抵抗を無視でき、さらにボールの大きさを無視できる場合どの角度でボールを投げれば落下したときに水平距離にして一番遠くに飛ぶか。

【解答】

ボールが飛んだ距離は先ほど求めました。

 

$$y=x\frac{\sin\theta}{\cos\theta}-\frac{1}{2}g\frac{x^2}{v_{0}^2}\frac{1}{\cos^2\theta}$$

 

において、\(y=0\)を満たす\(x\)が飛距離あたります。

 

だから、飛距離\(x_{1}\)は

 

$$x_{1}=\frac{2v_{0}^2\sin\theta\cos\theta}{g}$$

 

となります。ここで二倍角の公式\(\sin2\theta=2\sin\theta\cos\theta\)を用いて\(x_{1}\)を変形すると

 

$$x_{1}=\frac{v_{0}^2\sin2\theta}{g}$$

 

となります。

 

この\(x_{1}\)が最大になる角度は\(\theta=45\)の時なので、

飛距離が最大になるのは\(\theta=45\)になります。

 

参考までに\(\theta\)を30、45、60の軌道をプロットしました。

 

45の時が一番飛距離がわかりますね。

 

 

 

【終】

まとめ

このまとめを見て、記事の内容を説明できるまで反復しましょう。

 

この記事のまとめ

斜方投射の公式
x軸
速度 : \(v_{x}=v_{0}\cos\theta\)
位置 : \(x=(v_{0}\cos\theta)t\)
y軸
速度 : \(v=v_{y}=v_{0}\sin\theta-gt\)
位置 : \(y=(v_{0}\sin\theta)t-\frac{1}{2}gt^2\)

 

それでは。

 

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